【完全ガイド】MySQLで現在時刻を取得・フォーマット・計算・活用する方法

By 佐川 直弘 | Naohiro Sagawa (運営者)

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1. はじめに

MySQLで現在時刻を扱う重要性

MySQLは、データベースに格納される情報を適切に管理するために、時間の取り扱いが非常に重要です。特に現在時刻を取得・操作する機能は、ログの記録、スケジュールの管理、データの更新タイミングの記録など、多くの場面で利用されます。

例えば、次のようなケースで現在時刻を活用できます。

• 注文管理システム: 注文日時を自動記録
• ログ管理: システムのエラーログやアクセスログの記録
• スケジュール機能: 未来の予定をデータベースに保存し、リマインドを送信

このように、MySQLで現在時刻を適切に扱うことは、データの整合性や分析精度を向上させるために非常に重要です。

「MySQL 現在時刻」を知りたいユーザーの目的とは？

「MySQL 現在時刻」と検索するユーザーの多くは、以下のような目的を持っています。

1. 現在時刻を取得したい
2. 取得した時刻をフォーマットしたい
3. 時刻を操作（加算・減算）したい
4. 特定の時刻範囲でデータを検索したい
5. タイムゾーンを考慮して時刻を扱いたい

これらのニーズを満たすために、本記事では MySQLで現在時刻を取得する方法 を基礎から応用まで詳しく解説します。

この記事で学べること

本記事では、以下のポイントを体系的に学ぶことができます。

• MySQLで現在時刻を取得する基本的な方法
• 現在時刻のフォーマット変更方法
• 日時計算（加算・減算）を行う方法
• タイムゾーンを考慮した時刻の扱い方
• 実践的な活用例（ログ管理・スケジュール管理など）

この情報を活用することで、MySQLのデータ管理をより効率的に行うことができるようになります。

2. MySQLで現在時刻を取得する方法

MySQLで現在時刻を取得する主な方法

MySQLで現在時刻を取得する方法はいくつかあります。主に NOW() 関数を使いますが、用途に応じて CURRENT_TIMESTAMP や CURDATE(), CURTIME() も利用できます。

NOW() を使用して現在時刻を取得する

NOW() の基本構文

SELECT NOW();

実行結果（例）

2025-02-01 15:30:45

NOW() は現在の日時を YYYY-MM-DD HH:MM:SS の形式で取得します。

CURRENT_TIMESTAMP の利用

CURRENT_TIMESTAMP も NOW() と同じ結果を返します。

CURRENT_TIMESTAMP の基本構文

SELECT CURRENT_TIMESTAMP;

実行結果（例）

2025-02-01 15:30:45

CURRENT_TIMESTAMP は、カラムのデフォルト値として使用できます。

CURRENT_TIMESTAMP をデフォルト値に設定する例

CREATE TABLE orders (
    id INT AUTO_INCREMENT PRIMARY KEY,
    order_time DATETIME DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP
);

CURDATE() で日付のみを取得

CURDATE() の基本構文

SELECT CURDATE();

実行結果（例）

2025-02-01

時刻なしで、日付のみを取得できます。

CURTIME() で時刻のみを取得

CURTIME() の基本構文

SELECT CURTIME();

実行結果（例）

15:30:45

CURTIME() は時刻のみを取得する際に使用します。

各関数の比較表

まとめ

• 現在の日時を取得するなら NOW()
• カラムのデフォルト値には CURRENT_TIMESTAMP
• 日付だけが欲しいなら CURDATE()
• 時刻だけが欲しいなら CURTIME()

3. MySQLの現在時刻をフォーマットする方法

DATE_FORMAT() を使って現在時刻をフォーマットする

DATE_FORMAT() の基本構文

SELECT DATE_FORMAT(NOW(), 'フォーマット文字列');

フォーマット文字列 を指定することで、日時の表示形式を変更できます。

基本的なフォーマット例

SELECT DATE_FORMAT(NOW(), '%Y-%m-%d %H:%i:%s');

実行結果（例）

2025-02-01 15:30:45

DATE_FORMAT() のフォーマットオプション一覧

DATE_FORMAT() を使った具体例

日本語のフォーマット

SELECT DATE_FORMAT(NOW(), '%Y年%m月%d日 %H時%i分');

実行結果

2025年02月01日 15時30分

12時間制（AM/PMをつける）

SELECT DATE_FORMAT(NOW(), '%Y-%m-%d %h:%i:%s %p');

実行結果

2025-02-01 03:30:45 PM

TIME_FORMAT() を使って時刻をフォーマットする

TIME_FORMAT() は時刻データ（TIME 型）に特化したフォーマット関数です。

TIME_FORMAT() の基本構文

SELECT TIME_FORMAT(NOW(), '%H:%i:%s');

実行結果

15:30:45

STR_TO_DATE() を使って文字列を日付に変換

文字列の日時をMySQLのDATETIME 型に変換する場合に STR_TO_DATE() を使います。

STR_TO_DATE() の基本構文

SELECT STR_TO_DATE('2025年2月1日 15時30分', '%Y年%c月%e日 %H時%i分');

実行結果

2025-02-01 15:30:00

まとめ

• 日時のフォーマット変更には DATE_FORMAT() を使う
• 時刻のみのフォーマットには TIME_FORMAT() も利用可能
• フォーマットオプションを組み合わせて自由に表示形式を変更できる
• STR_TO_DATE() を使えば、文字列から日付型への変換も可能

4. MySQLの現在時刻を使った日時計算

DATE_ADD() を使って未来の日付を求める

DATE_ADD() の基本構文

SELECT DATE_ADD(NOW(), INTERVAL 数値 時間単位);

7日後の日時を取得

SELECT DATE_ADD(NOW(), INTERVAL 7 DAY);

実行結果（例）

2025-02-08 14:00:00

DATE_SUB() を使って過去の日付を求める

DATE_SUB() の基本構文

SELECT DATE_SUB(NOW(), INTERVAL 数値 時間単位);

30日前の日付を取得

SELECT DATE_SUB(NOW(), INTERVAL 30 DAY);

実行結果（例）

2025-01-02 14:00:00

TIMESTAMPDIFF() を使って2つの日時の差を求める

TIMESTAMPDIFF() の基本構文

SELECT TIMESTAMPDIFF(単位, 日時1, 日時2);

2つの日付の差を日単位で計算

SELECT TIMESTAMPDIFF(DAY, '2025-01-01', NOW());

実行結果（例）

31

DATEDIFF() を使って日数の差を計算

SELECT DATEDIFF('2025-02-10', '2025-02-01');

実行結果（例）

9

TIME_TO_SEC() を使って時間を秒数に変換

SELECT TIME_TO_SEC('01:30:00');

実行結果

5400

SEC_TO_TIME() を使って秒数を時間に変換

SELECT SEC_TO_TIME(5400);

実行結果

01:30:00

まとめ

5. タイムゾーンの設定と現在時刻の影響

MySQLの現在のタイムゾーンを確認する

システム全体のデフォルトタイムゾーンを確認

SHOW VARIABLES LIKE '%time_zone%';

実行結果（例）

+-----------------+--------+
| Variable_name   | Value  |
+-----------------+--------+
| system_time_zone | UTC    |
| time_zone       | +00:00 |
+-----------------+--------+

MySQLのタイムゾーンを変更する

セッションごとにタイムゾーンを変更

SET SESSION time_zone = 'Asia/Tokyo';

サーバー全体のタイムゾーンを変更（my.cnf に設定）

[mysqld]
default-time-zone = '+09:00'

設定後にMySQLを再起動

sudo systemctl restart mysql

UTC時刻を取得する方法

SELECT UTC_TIMESTAMP();

実行結果（例）

2025-02-01 14:30:45

CONVERT_TZ() で異なるタイムゾーンへ変換

SELECT CONVERT_TZ(NOW(), 'Asia/Tokyo', 'UTC');

実行結果

2025-02-01 14:30:45

ユーザーごとに異なるタイムゾーンを設定する

ユーザーのタイムゾーンに変換

SELECT CONVERT_TZ(NOW(), 'UTC', 'America/New_York');

実行結果（例）

2025-02-01 09:30:45

TIMESTAMP 型と DATETIME 型の違い

TIMESTAMP と DATETIME のデータ保存例

CREATE TABLE time_test (
    ts_column TIMESTAMP DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP,
    dt_column DATETIME DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP
);
INSERT INTO time_test () VALUES ();
SELECT * FROM time_test;

実行結果（例）

+---------------------+---------------------+
| ts_column          | dt_column           |
+---------------------+---------------------+
| 2025-02-01 14:30:45 | 2025-02-01 23:30:45 |
+---------------------+---------------------+

まとめ

• 現在のタイムゾーンを確認 → SHOW VARIABLES LIKE '%time_zone%';
• セッションごとに変更 → SET SESSION time_zone = 'Asia/Tokyo';
• サーバー全体のデフォルト変更 → default-time-zone = '+09:00' を my.cnf に設定
• UTC時刻を取得 → SELECT UTC_TIMESTAMP();
• タイムゾーン変換 → SELECT CONVERT_TZ(NOW(), 'UTC', 'Asia/Tokyo');
• TIMESTAMP はタイムゾーンの影響を受けるが、DATETIME は固定

6. 実践的な活用例（現場で役立つMySQLの現在時刻の使い方）

ログ管理（データの作成日時・更新日時を記録）

テーブルを作成（作成日時と更新日時を含む）

CREATE TABLE logs (
    id INT AUTO_INCREMENT PRIMARY KEY,
    event VARCHAR(255),
    created_at TIMESTAMP DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP,
    updated_at TIMESTAMP DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP ON UPDATE CURRENT_TIMESTAMP
);

データを挿入

INSERT INTO logs (event) VALUES ('ユーザーがログインしました');

データを更新

UPDATE logs SET event = 'ユーザーがパスワードを変更しました' WHERE id = 1;

スケジュール管理（未来の日付の自動計算）

1週間後に予定を設定

INSERT INTO schedule (event_name, event_date) 
VALUES ('プロジェクトの締切', DATE_ADD(NOW(), INTERVAL 7 DAY));

特定期間のデータを抽出する

今月のデータを取得

SELECT * FROM orders 
WHERE order_date BETWEEN DATE_FORMAT(CURDATE(), '%Y-%m-01') AND LAST_DAY(CURDATE());

アクセス履歴の記録

アクセスログを記録するテーブル

CREATE TABLE access_logs (
    id INT AUTO_INCREMENT PRIMARY KEY,
    user_id INT,
    access_time TIMESTAMP DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP
);

ユーザーのアクセスを記録

INSERT INTO access_logs (user_id) VALUES (123);

データの有効期限を管理する

30日以上前のデータを削除

DELETE FROM logs WHERE created_at < DATE_SUB(NOW(), INTERVAL 30 DAY);

まとめ

7. よくあるエラーとトラブルシューティング

NOW() が正しいタイムゾーンで取得できない

原因

• MySQLのデフォルトタイムゾーンがUTCになっている
• セッションごとのタイムゾーン設定が正しくない

解決策

現在のタイムゾーンを確認

SHOW VARIABLES LIKE '%time_zone%';

タイムゾーンを一時的に変更

SET SESSION time_zone = 'Asia/Tokyo';

サーバー全体のデフォルトタイムゾーンを変更

[mysqld]
default-time-zone = '+09:00'

MySQLを再起動すると変更が適用されます。

CURRENT_TIMESTAMP が意図しない日時を返す

原因

• TIMESTAMP 型のカラムを使用している（タイムゾーンの影響を受ける）
• サーバーのタイムゾーンがUTCになっている

解決策

DATETIME 型を使用すると、タイムゾーンの影響を受けない

CREATE TABLE logs (
    id INT AUTO_INCREMENT PRIMARY KEY,
    event_time DATETIME DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP
);

TIMESTAMP 型を使う場合は、CONVERT_TZ() で変換

SELECT CONVERT_TZ(event_time, 'UTC', 'Asia/Tokyo') FROM logs;

TIMESTAMPDIFF() の結果が期待と異なる

原因

• TIMESTAMPDIFF() は単位ごとに丸めて計算する
• 例: TIMESTAMPDIFF(DAY, '2025-02-01 23:59:59', '2025-02-02 00:00:01') → 0日

解決策

• より正確な秒単位の計算をする

SELECT TIMESTAMPDIFF(SECOND, '2025-02-01 23:59:59', '2025-02-02 00:00:01');

実行結果

2

TIMESTAMP と DATETIME の使い分け

TIMESTAMP を使用する場合

CREATE TABLE logs (
    id INT AUTO_INCREMENT PRIMARY KEY,
    event_time TIMESTAMP DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP
);

DATETIME を使用する場合

CREATE TABLE reservations (
    id INT AUTO_INCREMENT PRIMARY KEY,
    reserved_at DATETIME NOT NULL
);

まとめ

MySQLの現在時刻を扱う際は、環境設定やデータ型の特性を理解することで、予期しないエラーを防ぐことができます。

8. FAQ（よくある質問と回答）

NOW() と CURRENT_TIMESTAMP の違いは？

回答

基本的にはどちらも同じ機能を持ちますが、カラムのデフォルト値として設定する際には CURRENT_TIMESTAMP のみが使用可能 です。

CREATE TABLE logs (
    id INT AUTO_INCREMENT PRIMARY KEY,
    created_at TIMESTAMP DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP
);

MySQLで現在時刻をUTCで取得するには？

回答

以下のクエリを使えば、MySQLのタイムゾーン設定に関係なく、UTCの現在時刻を取得 できます。

SELECT UTC_TIMESTAMP();

また、NOW() の結果をUTCに変換したい場合は CONVERT_TZ() を使います。

SELECT CONVERT_TZ(NOW(), 'Asia/Tokyo', 'UTC');

日付と時刻を別々のカラムに保存すべき？

回答

• 日時を一緒に保存したい（ログ、予約管理）

  CREATE TABLE reservations (
      id INT AUTO_INCREMENT PRIMARY KEY,
      reserved_at DATETIME NOT NULL
  );

• 日付と時刻を別々に管理したい（勤務表など）

  CREATE TABLE work_schedules (
      id INT AUTO_INCREMENT PRIMARY KEY,
      work_date DATE NOT NULL,
      work_time TIME NOT NULL
  );

NOW() のタイムゾーンがずれるのはなぜ？

回答

まず、現在の設定を確認しましょう。

SHOW VARIABLES LIKE '%time_zone%';

設定を変更する場合：

SET SESSION time_zone = 'Asia/Tokyo';

NOW() の精度をミリ秒単位にできる？

回答

MySQL 5.6 以降では、小数秒（ミリ秒）を取得できます。

SELECT NOW(3);

実行結果（例）

2025-02-01 14:30:45.123

ミリ秒単位でデータを保存する場合

CREATE TABLE logs (
    id INT AUTO_INCREMENT PRIMARY KEY,
    event_time DATETIME(3) DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP(3)
);

まとめ

• NOW() と CURRENT_TIMESTAMP は基本的に同じだが、カラムのデフォルト値には CURRENT_TIMESTAMP を使用
• UTC時刻を取得するには UTC_TIMESTAMP() を使う
• DATETIME は固定値、TIMESTAMP はタイムゾーン変換される
• ミリ秒単位の取得には NOW(3) を使用
• タイムゾーンがずれる場合は SET SESSION time_zone = 'Asia/Tokyo'; を実行

9. まとめ

MySQLで現在時刻を取得する方法

✅ NOW() → 現在の日時（YYYY-MM-DD HH:MM:SS）を取得
✅ CURRENT_TIMESTAMP → カラムのデフォルト値に使用可能
✅ CURDATE() → 今日の日付のみを取得
✅ CURTIME() → 現在の時刻のみを取得
✅ UTC_TIMESTAMP() → 常にUTCの時刻を取得

MySQLの現在時刻をフォーマットする方法

✅ DATE_FORMAT() を使うことで、日時を見やすい形式に変換 できる。

SELECT DATE_FORMAT(NOW(), '%Y年%m月%d日 %H時%i分');

MySQLの現在時刻を使った日時計算

✅ 未来の日付を取得

SELECT DATE_ADD(NOW(), INTERVAL 7 DAY);

✅ 過去の日付を取得

SELECT DATE_SUB(NOW(), INTERVAL 30 DAY);

✅ 2つの日付の差を計算

SELECT TIMESTAMPDIFF(DAY, '2025-01-01', NOW());

✅ 時間を秒数に変換

SELECT TIME_TO_SEC('01:30:00');

タイムゾーンの管理

✅ 現在のタイムゾーンを確認

SHOW VARIABLES LIKE '%time_zone%';

✅ タイムゾーンを日本時間（JST）に変更

SET SESSION time_zone = 'Asia/Tokyo';

✅ UTC時刻を取得する方法

SELECT UTC_TIMESTAMP();

✅ タイムゾーンを考慮した時間変換

SELECT CONVERT_TZ(NOW(), 'UTC', 'Asia/Tokyo');

実践的な活用例

✅ ログ管理（作成・更新日時の自動記録）

CREATE TABLE logs (
    id INT AUTO_INCREMENT PRIMARY KEY,
    event VARCHAR(255),
    created_at TIMESTAMP DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP,
    updated_at TIMESTAMP DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP ON UPDATE CURRENT_TIMESTAMP
);

✅ スケジュール管理（未来の日付の計算）

INSERT INTO schedule (event_name, event_date) 
VALUES ('プロジェクトの締切', DATE_ADD(NOW(), INTERVAL 7 DAY));

✅ 古いデータを削除（30日以上前のデータを削除）

DELETE FROM logs WHERE created_at < DATE_SUB(NOW(), INTERVAL 30 DAY);

この記事のポイント

📌 MySQLで現在時刻を取得する方法を網羅
📌 フォーマットや日時計算を活用する方法を解説
📌 実務で役立つ活用例（ログ管理・スケジュール管理など）を紹介
📌 よくあるエラーと対策を詳しく解説

MySQLでの時間管理は、ログの記録、データの有効期限管理、スケジュール管理など、さまざまな用途で役立ちます。
適切な関数を使いこなし、システムの要件に合わせた時刻処理を実装 できるようになりましょう。